菱目打ちと菱ギリについて
こんにちは。
レザークラフターの最も腕が出る、もしくは個性がでる部分が「縫い」と「コバ」だと思います。
今回はこの「縫い」について考察したいと思います。
ただし、「縫い方」については他のサイトや本などにも書いておりますのでそちらを参考にしていただきたいと思います。
今回フォーカスをあてるのは「縫い穴のあけ方」です。
大体初心者用の本などでは縫い穴は菱目打ちという名のフォークのような工具を木槌で叩いて革に刺してあけると書いています。もちろんこの方法で開けても全く問題ありません。実際私も最近までこの方法であけていました。
菱目打ちを使って開けた場合のメリットは一度に4個の穴があけらるので、素人でも簡単に一直線上に縫い穴をあけることが出来ます。しかし多くのレザークラフターは菱目打ちだけでは穴はあけません。代わりに菱ギリを使います。(下の写真の左が菱ギリ、右が菱目打ちです。)
それは仕上がりがより綺麗になるからなのですが、とりあえずそれぞれの違いを見てください。表裏それぞれ写真を撮っていますが、上の縫い目が菱目打ちを使ったもの、下の縫い目が菱ギリです。
どうでしょう。
菱目打ちであけたものは穴が大きく、糸よりもはみ出しています。
菱ギリであけたものは穴と糸のバランスがいいように思います。
菱目打ちであけると、表側が裏側に比べて大きくなってしまうのです。
うーん、分かりにくいですね(笑)
しかしこれが縫う個所が厚くなればなるほど、菱目打ちであけると大きくなりすぎてブサイクになりがちです。
菱ギリの使い方はいろいろ人によって好みや流儀がありますが、私は菱目打ちでアタリを付けてそこに菱ギリで一つづつ穴をあけていきます。持ち方は持ちやすい持ち方でいいと思いますが、まっすぐに・斜めに刺さないように注意が必要です。まっすぐに刺すのは菱目打ちの方が簡単ですが、慣れれば菱ギリのほうが速くあけていくことが出来ます。
まぁ正直、こんなところを注視しているのは作り手だけだと思います。
ですが、全体を見たときに何か違和感のある作品はこの辺が原因ではないかと思います。
と偉そうなことを言ってますが、まだまだ私も菱ギリをまっすぐ差せるように勉強中です。
何かわかりづらい点ありましたらご質問お願いします。
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